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楠木のテラ

 楠木のテラは、集落の山側にある墓地のことを言います。もっとも、墓地の中には小屋があり、そこには仏像が安置されていて、楠善寺と言う。そう言う意味では、この墓地はテラでもあり、寺でもあります。
 管理人が訪れた奄美大島に近い宝島や中之島の古い集落である楠木・里村にテラと呼ばれる墓地があることは、下野敏見が言っているように、テラが古い言葉であることを意味するように思われます。沖縄にはグスクともテラとも呼ばれる場所があるように、楠木にもグスクとテラがあることは、グスクの本来の意味は墓であるとの管理人の考え方を補強するかなと思っています。ちなみに、区長さんにテラで遭ったので、グスクを探していると尋ねると、集落全体がグスクだという答えでした。
 現在のテラは、墓石が減って、若干荒廃気味となっています。区長に聞いた話では、本土に移住した人が墓もどんどん移しているからだそうです。
 なお、里村のテラについては別ページ参照。


   
テラ入口。脇には大きいガジュマルがあります。 墓石は区長さんが語ったようにあまりありません。 
   
ガジュマル 別角度 
   
人為的に置いたと思われる石が散見されます。 テラの別角度 
   
別の日撮影版 楠善寺の手前 
   
楠善寺です。寺と言われなければ分からない。今でこそ寺があるが、それ以前にも拝所らしきものがあったのだろうか。琉球のグスクは人骨があると伝わる場所に拝所があるという形態が多いので、寺設立以前の形が分かると参考になるのですが。 真っ直ぐ行くと集落に戻ります。