グスコ（大棚）

グスコ（大棚）

　「大和村誌」によると、大棚の東側に位置する池田集落のうち、東側にある丘陵を背にした家々一帯を池田集落の中でも、特にグスコと呼ぶという。この説明書きと所収の地図を見る限り、池田集落の東側及び丘陵全体を併せてグスコと呼ぶように見える。
　一方、鹿児島短期大学付属南日本文化研究所発刊の「奄美学術調査記念論文集」所収「奄美におけるグスク調査の報告」によると、集落内平坦面・住宅地をグスコと呼ぶという。
　両文献を見る限り、池田集落の東側をグスコと呼ぶことは間違いなさそうだが、丘陵まで含むかは断言できない。しかし、前者は大和村について詳述したものであるので、丘陵までグスコと呼んでも良いように思われる。
　後者文献、「沖永良部島地名考付奄美諸島の小字名」及び「角川日本地名大辞典鹿児島県」所収の小字一覧を見る限り、大棚集落にはグスコ・池城・戸城というグスクがあり、後者文献によると、いずれも集落内平坦面・住宅地であるという。池城という名前からは、池田集落にあるのではという気がするが、各文献を見ても場所は不明である。ひょっとしたら、池田集落にはグスコと池城の２つのグスクがあるのかもしれない。なお、沖縄には幾つか池グスクとかイチグスクというグスクがあるが、墓であることが多い。


形状を見る限りグスクにありがちな見た目である。	西側から。

集落内より。管理人が立っている地点より先が池田集落。明確なラインは分からないが、奥は池田集落内のグスコ（地区）。	遠くから。

大して代わらんが、別の日撮影分。麓の家は多分グスコ（地区に）になるかな。	麓で撮影。単なる広場ですが。