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阿波連のクバ山

 
 クバ山は阿波連ビーチのキャンプ場西側に隣接してあるその名の通りクバ(ビロウ)が生えた標高10m程の山のことです。ちなみに、近くにある展望台はクバンダキと言います。
 「渡嘉敷村史」によると、唐船(中国の船)が近くに停泊したとき、唐船の帆に利用するビロウの葉をこの山から採ったそうです。近くには、唐船泊という場所があって普段は入ることが許されなかったそうです。
 沖縄に限らずクバ(ビロウ)木はその形状がそう感じさせるのか霊力が宿ると信じられていて、実際クバ林を見ると霊感がないつもりの管理人でも神聖な気持ちになります。そして、クバが密生している場所には御嶽があることが多く、この阿波連のクバ山にも東側にはウフサメー・ウフシルという拝所があり、このクバ山と直接関係はないかも知れませんが、西側の浜側にはツナカキジー・ムトゥマルジーという拝所があるようです。なお、「琉球国由来記」にはこの山に関係する御嶽はないようです。


   
キャンプ場内の道のすぐ東側がクバ林です。 このようにたくさん生えています。 
   
こういう風景もまた沖縄らしさを感じさせる光景です。 拝所が見えて来ました。恐らくこれがウフシルです。「渡嘉敷村史」によると、遠くからこの島に来た人が葬られ、祀った場所だという。この拝所の背後の丘にはお墓があるという。そもそもウフシルが何なのかはイマイチ分かりませんが、現代日本語(?)に直すと大白か大瀬戸ですかね?人名でしょうか?遠くから来た人というのも曖昧な表現ですが、「渡嘉敷村史」のウフシルの項目では、唐船が近くで難破したときに字の人が戦をしに来たと勘違いし、彼らの首を切り落としたという話も残ってると紹介されています。関係があるとすれば、首を切り落とされた人が祀られているのだろうか?
   
香炉が置かれているだけの簡素な作りです。「渡嘉敷村史」の説明では赤瓦の屋根に大中小の香炉が1つずつ置かれているとのことだが、微妙に違います。 こちらはウフサメーへの道。ウフシルもウフサメーもキャンプ場内の道から見つけることができます。ウフサメーは北側でウフシルが少し南側にあります。
   
見えて来ました。ウフサメーとは「渡嘉敷村史」によるとミティン(御天)加那志と火の神、それに字の先祖が祀られているという。桃原家の墓ではないかとのこと。ウフサメーの意味はよく分かりません。 阿龍眞之宮と書かれています。この碑があるのがウフサメーであると「渡嘉敷村史」にあるので、ここがウフサメーであることは間違いないでしょう。
香炉が5つあり、左側に祀ってあるのが火の神だそうです。 少し離れた所から撮影。近辺を川が通っています。