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渡嘉敷村の史跡
ここでは渡嘉敷村のうち御嶽・グスクを除いた主に拝所を紹介します。渡嘉敷村は御嶽の数が非常に多い村ですが、それと比例して拝所の数も多いです。渡嘉敷のページ内で紹介した分はこちらには掲載していません。以下の記事は「渡嘉敷村史」に全面的に依拠しています。詳しくはそちらを参照。
名前 | 所在地 | 行き方&場所 | 備考 |
里 | 字渡嘉敷 | 役場から東南300mにある標高196mの山。 | 城島・西御嶽と並ぶ渡嘉敷の先祖の居住地。しかし、祭祀の対象とはなっていないようである。 |
奈の殿(ナーヌトゥン) | 字渡嘉敷 | 役場とクミチヂ山の中間。 | 屋号奈家の敷地内にありコンクリートで囲んだ拝所がある。仲御嶽を祀る拝所。 |
仙間の殿(シンマノトゥン) | 字渡嘉敷 | 奈の殿の道路を挟んだ北側向かい。 | 仙間家にありブロック積みがされている。上股御嶽と真川御嶽へのお通しの拝所。 |
髭長の殿(ヒジナガヌトゥン) | 字渡嘉敷 | クミチヂ山の東、渡嘉敷川川岸の平地。 | コンクリートブロックを積んでいる。豊饒を祈願するミルク神を祀る場所。 |
ウヌルモーの殿 | 字渡嘉敷 | 渡嘉敷神社向かいの道路。 | 殿が2つあり、それぞれコンクリート作りの拝所となっている。豊饒の神である女のミルク神と悪疫払いの男神がいる。 |
カヤヌメーグヮー | 字渡嘉敷 | 渡嘉敷郵便局の道路を隔てた南西側。 | コンクリートブロックと石で囲んだ中に香炉と火の神がの石が置かれている。以前は種取りの神のアシビナーであった。 |
カヤヌメー | 字渡嘉敷 | 渡嘉敷公民館裏。 | 以前はカヤヌメーグワヮーと一続きであったと思われるとのこと。ここも神遊びの場であった。 |
イシッピガーラの拝所 | 字渡嘉敷 | イシッピガーラの河口から100mほど西側、白瀬山の麓。 | カー御願を行った場所。西御嶽へのお通し場所。 |
フカガー | 字渡嘉敷 | カーヌハタ家(佐久間家)の敷地。 | 字の人が若水を汲んだ場所。カー御願が行われる場所。 |
ウチマシガー | 字渡嘉敷 | アマンザの拝所の東。 | 字の人が若水を汲んだ場所。カー御願が行われる場所。 |
大主国主加那志の殿 | 字渡嘉敷 | 役場から北東100m、白瀬山の麓。 | 墓には香炉が7つ置かれている。奥には主加那志の墓がある。大主加那志とは渡嘉敷間切り最初の地頭職だったと伝えられている。 |
世の主加那志の殿 | 字渡嘉敷 | 大主国主加那志の殿の西寄り斜め奥。 | 香炉が2つ置かれている。鬼慶良間の墓。 |
長丈の殿(ナガジョーヌトゥン) | 字渡嘉敷 | クミチヂ山東の麓。 | コンクリートブロックと石で囲まれている。鬼慶良間先妻を祀っている。 |
ウル墓 | 字渡嘉敷 | 役場から50mほど北東の白瀬山麓。 | サンゴ石を積んでいるのでこの名が付く。退位した王の墓と伝えられる。 |
二つ墓(ターチバカ) | 字渡嘉敷 | 白瀬山の麓、世の主加那志の殿の西側。 | 墓口も中も2つあるからそう呼ばれる。鬼慶良間が世話になった方のために作った墓と言われる。 |
学問の世の神様の墓 | 字渡嘉敷 | 渡嘉敷集落の東南、渡嘉敷川のやや上流。 | コンクリートブロックに屋根を掛け、香炉が置かれている。大島(奄美?)出身の学問僧で、この僧が琉球に来たおかげで琉球でも和文が書けるようになったと伝えられる。島の若者に嫉妬で殺されたが、その年にコレラが流行して祟りだということになり、今の場所に祀られるようになった。 |
孝行カンジャナシーの墓 | 字渡嘉敷 | さめか御嶽の真下、渡嘉敷川河口から東に30mほどの崖。 | 島建てをした兄妹神の子孫であり、村人のために尽くした人であるという。 |
嘉間良の原 | 小字渡嘉志久 | 渡嘉志久ビーチ近く富盛家の敷地内。 | 豊饒の祈願を行った場所。 |
君南風屋(チンペーヤ) | 字阿波連 | ハナリ島にある洞窟。 | 久米島の祭事を司る高級神女チンぺーを祀る拝所。 |
宇和良の御殿 | 字阿波連 | 集落北西玉城家の敷地内。 | 首里から阿波連に来た神女を祀った場所。 |
桃原の御殿 | 字阿波連 | 集落北東桃原家の敷地内。 | コンクリート作りで香炉・位牌があり、火の神が祀られている。初御願や御願解きで祈願された場所。 |
富森の御殿 | 字阿波連 | 民宿潮騒の敷地正面。 | コンクリート作りで香炉があり、火の神が祀られている。ウチフジウジファーという神女と、この家(小嶺家)の祖先を祀っている。 |
カンジャーヤー | 字阿波連 | 上の殿御嶽の山裾。 | 香炉が置かれた拝所であった。阿波連の鍛冶屋が住んだ所と言われ、その鍛冶屋は大和から来た人と伝えられる。 |
ユアゲモー | 字阿波連 | 阿波連小学校東半分。 | 娘達が東西に分かれて、山から採ってきた花を飾る勝負をした場所。 |
ヌールン | 字阿波連 | 集落の山手の畑地の浜側。 | 種取り祭りの準備と踊りを踊った場所。 |
カータガーラ拝所 | 字阿波連 | 西川上御嶽途中大きいウスクの木の下。 | 小さい拝所と石が置いてある。カー御願が行われる場所。 |
ウフガーラの拝所 | 字阿波連 | 東川上御嶽途中。 | 石と香炉が置かれた拝所。神名はミズノオシカサと言う。カー御願が行われる場所。 |
フルガー | 字阿波連 | 集落北東、首里殿内の東側向かい。 | 神女が使っていた井戸という。カー御願が行われる場所。 |
ミーガー | 字阿波連 | 集落北東、殿内小の東側。 | ここも神女が使っていた井戸という。フルガーに対して新しいからそう名付けられた。カー御願が行われる場所。 |
シルジュー | 字阿波連 | 桶川御嶽の西南西250mの場所にある丘。 | 東川上御嶽に住んでいた人の前の居住地。 |
ツキカキジーとウマシジー | 字阿波連 | 阿波連植物公園西側の浜に出る所にある岩。字渡嘉敷から字阿波連に来る道が浜に出た所の西側にある岩。 | ツキカキジーは種取り祭りのときにヤフィンチャーの神が船を泊めるために網をかける岩。ウマシジーはヤフィンチャーが海から上陸する際の岩。 |
ムトゥルマジー | 字阿波連 | ツキカキジーの北100m程にある岩。 | 神女が種取り祭りの準備をした場所。 |
龍宮神 | 字前島 | 村墓近く。 | コンクリート作りで中には香炉があり、火の神が祀られている。 |
殿内 | 字前島 | 学校跡南の広場。 | 香炉と火の神の香炉が置かれている。神女殿内跡や神女井戸があった。ウマチーや種取り祭りが行われる場所。 |
世の親加那志 | 字前島 | 島の南端、チューソーと呼ばれる聖地にある。鳥居がある。 | チューソーの聖地の奥にある赤瓦葺きの拝所。近くにはカニマン加那志の拝所もある。恐らく世の親加那志の墓であるという。 |
カニマン加那志 | 字前島 | 同上。 | 香炉が置かれている。メーモーシという神女の遺骨を納めた場所。メーモーシは世の親加那志の娘と考えられるとのこと。元々はカニマン加那志という鍛冶の神が祀られていた場所。 |
中島按司が世 | 字前島(中島) | 島の頂上近く東の岩庇。 | 香炉が置かれている。按司が世の骨があると言われる。 |
シヌルガマ | 字前島 | 島の北端やや東の洞窟。 | 按司墓と伝えられる。島の人に恐れられた場所であったので特別な時にだけ拝んだ。 |
大墓(按司墓) | 字前島 | 島の北端に近い東の浜の洞窟。 | 按司墓と呼ばれているが、村墓が一杯のときにその遺骨を移した場所とも伝えられる。拝島に居住した先祖達が移り住んだ場所と伝えられる。 |
村墓 | 字前島 | ハンガー御嶽の真東に南北が巨岩に挟まれた浜があり、その近くの龍宮神がある崖の南側。 | ウフヌシ加那志とヌルオコーシ加那志という島立ての先祖を祀った場所。神女が拝んでいた場所で、島に帰った者も必ず拝む場所。 |
御拝領 | 字前島 | 島の南端、チューソーと呼ばれる聖地にある。 | カニマン加那志の北にある墓。由来は不明。 |
ウークイ浜 | 字前島 | 神道の南、タチザンと呼ばれる岩の南一帯の浜。 | 種取り祭りの最後の晩に去っていくタビノカンジャナシーを送る浜である。近くにはウカマヌソバと呼ばれる火の神を祀る場所もある。 |
アカタチザン | 字前島 | 東海岸の村落北、唐栄と呼ばれる浜の北にある赤みがかった岩。 | 種取り祭りの際に訪れるタビノカンジャナシーが船を繋げる場所。唐栄近くの浜は先祖の居住地と伝えられる。 |
神山島 | 字前島(神山島) | 那覇と前島の間にある島。 | 神山殿内の人が前島に訪れる際に立ち寄ったから神山島と名付けられたという。牧港チュラーという美人があまりに男好きなため慶良間に島流しになったが、船がこの島に着きここに住み、死後ジンクバン(軸となる神)として祀られたという。島の近くを通るときに船頭は牧港チュラーに対する歌を歌う。 |